初めての夜、ちっちゃな涙と温かい光

夜の街がキラキラし始める頃、私の小さなお店にも新しい風が吹いてきました。今日からアルバイトとして入ってくれた、ピカピカの二十歳、ミカちゃんです。
お店を開ける前の準備中から、ミカちゃんのドキドキが伝わってきて、こっちまでなんだかソワソワしちゃった。グラスを拭く手つきがおぼつかなくて、何度も「ふぅー」って深呼吸してるのが可愛くて、私も最初はこんなだったなぁって、心の中で応援してたんだ。
で、いよいよ開店ってお客さんが来てくれた時、ミカちゃんの緊張はMAXになったみたい。最初のお客さんの注文を聞きに行く時、手がブルブル震えててさ。慣れない場所のプレッシャーかな、カクテルを全然違うものに聞き間違えちゃったんだよね。
お客さんに「あれ?」って言われて、慌てて謝るミカちゃん。そしたら、みるみるうちに目に涙が溜まってきて、ポロポロって大粒の涙が頬を伝って流れ落ちちゃって。「すみません、私、ダメな人間で…」って俯く姿がもう、胸がギュッてなるくらい痛々しくて。
すぐに駆け寄って、優しく肩をポンポンって叩いて。「大丈夫だよ、ミカちゃん。失敗なんて誰にでもあること。ここで一番大事なのは、完璧に注文を取ることじゃなくて、お客さんをあったかく迎える『笑顔』だからね!」って伝えたの。
そしたら、ミカちゃんがおそるおそる顔を上げてくれたんだけど、その時、カウンターにいた常連のお客さんが、ふんわり笑いながら「いいのよ、気にしないで。その涙の分だけ、きっと素敵なママになれるわ。私もね、若い頃は失敗ばかりで、よく上司に叱られて泣いていたの。今のあなたを見ていたら、なんだか昔の自分を思い出して、懐かしくなっちゃったわ」って話しかけてくれたんだ。
その優しい言葉に、ミカちゃんの冷え切ってた心がゆっくり溶けていくのがわかった。お客さんの温かさに触れて、ミカちゃんの顔にも少しずつ、でも確かな光が戻ってきたんだ。涙を拭って、鼻をすすりながらも、「…はい。ありがとうございます」って、今日一番の、そして最高に綺麗な笑顔を見せてくれたんだよ。
スナックって、ただお酒を飲むだけの場所じゃないんだよね。こうやって、人が触れ合って、傷ついた心を癒したり、見ず知らずの誰かの背中をそっと押してくれたりする、目に見えない「優しさ」っていうスパイスがたくさん詰まってる場所なんだなって、今日の出来事で改めて思ったの。
ミカちゃん、今日は本当にお疲れ様。初めての夜は、ちょっぴりしょっぱかったかもしれないけど、その涙はきっと明日からの君の力に変わるはずだよ。✨
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