スナックと、ゆるやかな時間のこと

最近、お店の閉店後によく思うことがあるんやけど、スナックって、なんか時間の流れが違う場所なんかなって。普通のお店とか、バイト先とかやったら、どうしても「次、次!」って感じで、せかせかしちゃうことが多いけど、うちのお店は全然違うんよね。
お客さんも、もちろん皆さん楽しみに来てくださってるんやけど、誰一人として「早く次に行かなきゃ」とか、「この後、予定があるから」なんて気にしてる人はいない。みんな、グラスをゆっくり傾けながら、お酒を味わって、ぽつりぽつりと話したり、ふふふって笑ったり。その時間が、なんだかすごく豊かで、愛おしいなって思うんや。
お店を始めた当初は、正直「もっと回転させなきゃ」「もっと稼がないと」って、すごく効率ばかり気にしてた時期もあった。でも、色んなお客さんと話してるうちに、そういうんじゃなくて、ここで流れるゆっくりとした時間こそが、うちのお店の大切な価値なんやって、肌で感じるようになったんよね。
効率だけじゃなくて、そこにある「豊かさ」みたいなもの。スナックって、それを教えてくれる場所なんやなって、最近しみじみ感じる。時間をお金に変えるだけじゃない生き方があるんだよっていうことを、体で覚えられる。これは、本当に一生の財産になるような感覚やなって思う。
だって、考えてみてほしいんやけど、普段の生活って、どうしても「時間=お金」みたいな感覚に陥りがちやん?仕事も、バイトも、結局は時間給やったり、成果報酬やったり。だから、無駄な時間なんてない方がいい、みたいな風潮もある気がする。
でも、スナックに来てくださる方々って、そういう「時間」っていう概念から、ちょっと解き放たれてるように見えるんよ。もちろん、皆さんそれぞれに日々の生活や仕事があって、大変なこともいっぱい抱えてるはずやのに、ここに来たら、肩の力が抜けて、素の自分でいられる。
「あー、今日も一日頑張ったな」って、自分を労ってあげながら、温かいお酒を飲む。誰かと話したくなったら、隣に座ってる人と自然に言葉を交わす。でも、無理に話さなくても、ただ静かに音楽を聴いてるだけでもいい。そういう、すごく自由で、肩肘張らない時間が、ここでは許されてる。
私自身も、お店をやってるからこそ、そういう時間の大切さを実感できるようになった。お店が終わって、一人で静かに片付けをしながら、今日あった出来事を思い出して、ちょっとニヤニヤしたり、あー、あの時もっとこう言えばよかったかな、なんて反省したり。そういう、他愛もない、だけど私にとってはすごく大切な「自分の時間」を、ちゃんと持てるようになったんや。
昔は、仕事が終わったら、すぐに次の予定を詰め込んだり、早く寝なきゃって焦ったりしてたけど、今は、閉店後のこの静かな時間が、すごく心地よくて、愛おしい。この「ゆるやかさ」を、これからも大切にしていきたいなって思う。
お客様に「ありがとう」って言ってもらえること。それが、何よりも嬉しいんやけど、それと同じくらい、私自身も、この場所で「時間」と向き合って、自分自身と向き合えるこの時間が、すごく好き。これからも、ここで流れる温かい時間を、みんなと分かち合っていけたらいいな、って思ってる。ふふ😊
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