今夜もカウンターで、ちょっぴり大人な処方箋

「なんか、熱っぽいんだよね〜」って、いつもの常連さんがふらっとお店に現れた。あー、もう、そういう顔つき。私、ママって呼ばれてるけど、お医者さんじゃないからね!でも、そんな時こそ、私の出番かなって思うんだ。
まずはおかゆ。あったかくて、胃に優しいの。こういう時は、無理せず体に染み渡るものが一番だもんね。それに、ポカリも忘れずにお渡しする。「ゆっくり休んでね」って声をかけたら、ちょっとだけ元気ない笑顔を返してくれた。大丈夫、明日の朝にはきっとケロッとしてるよ。そういう顔するなって、自分でも思う。
かと思えば、さっきまで「もうダメだ…」って、泣きじゃくってた子がいた。失恋かな。もう、胸が張り裂けそうって顔で、カウンターに突っ伏してた。そういう時、なんて声をかけたらいいか、すごく迷うんだよね。でも、言葉で励ますより、そっとしておいてあげる方がいい時もある。だから、何も言わずに、そっとハンカチを差し出した。それから、ちょっとだけブランデー。グラスを片手に、静かに涙を流してた。きっと、この子も明日の朝には、また新しい一歩を踏み出せる。そう信じて、夜が明けるのを待つんだ。
私のお店は、なんていうか、夜の保健室みたいな場所なのかもしれない。体調が悪い子も、心が折れちゃった子も、みんなが少しだけホッとできるような、そんな温かい場所でありたいなって、いつも思ってる。ママは、みんなの傷を癒す魔法使いじゃないけど、こうやって、おかゆやお酒、それからちょっとした気遣いで、みんなが少しでも元気になれるように、精一杯お手伝いしてるつもり。
朝になったら、みんなはまたそれぞれの日常に戻っていく。笑顔で「ありがとう!」って言ってくれると、本当に嬉しいんだ。また明日ね!って送り出す時の、あの晴れやかな顔を見ると、私も頑張ろうって思える。
この仕事をしてて、一番やりがいを感じる瞬間は、そういう時なんだよね。みんなが抱えてる悩みや辛さを、ほんの少しでも軽くしてあげられたら。そして、また明日を頑張ろうって思えるきっかけになれたら、それ以上に幸せなことはない。
たまに、自分だって疲れてたり、落ち込んだりすることもある。でも、そんな時こそ、カウンターに座ってくれるみんなの顔を見ると、不思議と元気が出てくるんだ。みんな、色んな人生を歩んでる。その中で、私の店に立ち寄ってくれるってことは、きっと、何かしら求めてくれてるんだと思う。だから、期待に応えられるように、これからも一生懸命、この場所を守っていきたいなって思う。
夜はまだ長い。今日も、誰かの心の救いになれるように、私なりに、精一杯カウンターに立とう。明日の朝、みんなが笑顔で「行ってきます!」って言ってくれるのを、楽しみにしてる。そんな、ちょっとだけ不器用で、でも温かい夜を、今日も過ごすんだ。
(Googleマップ案内)

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