ママの仕事、はじめました。

この仕事をしていると、本当に色々なことが起こるんです。まるで、人生の縮図みたいって思う時がしょっちゅう。先月も、お店でちょっとした事件があって。酔ったお客さん同士が、まさかの政治の話でヒートアップしちゃったんです。「いや、それは違うだろう!」とか、「君にはわかってない!」とか、もう、聞いているこっちがハラハラするような展開で。
こういう時、どうするか。もちろん、仲裁に入るんです。ぐいっと間に入って、「まあまあ、お二人とも、もう一杯どうですか?」って、ニコニコしながらグラスを差し出す。私の仕事は、この場の空気を、ふわっと変えること。それが、ママの腕の見せ所というか、使命感みたいなものなんです。
正直、酔っ払った勢いって怖いじゃないですか。普段はいい人でも、ちょっとしたことでカッとなっちゃう。もちろん、私も怒鳴られたことだってありますよ。「なんだお前は!」って。その時は、さすがに心臓がバクッてなりました。悔しくて、お店が終わった後、一人でこっそり泣いたこともあります。涙を拭きながら、「私、ここで何やってるんだろう」って思ったことも。
でも、不思議と、そんな経験があったからこそ、この仕事の「根っこ」みたいなものが、より一層強くなった気がするんです。なんだろう、この感覚。負けるもんか、って。心の中で、ひとりニヤリと笑っちゃう。
この仕事って、ただお酒を出すだけじゃないんですよね。お客さんの人生の、ほんの少しの時間に寄り添わせてもらう。誰かの寂しさに、そっと寄り添ったり、誰かの喜びを、一緒に分かち合ったり。時には、愚痴を聞いてあげたり、励ましてあげたり。そんな、人間同士の温かいやり取りが、この店の「味」みたいなものなのかもしれません。
この前なんて、初めて会ったはずなのに、昔からの友達みたいに、ポロポロと悩み相談をしてくれるお客さんもいたんです。仕事のこと、恋愛のこと、家族のこと。真剣に、でも、どこか吹っ切れたような顔で話してくれるのを聞いていると、こちらもなんだか胸が熱くなって。私も、ひとつひとつ、真剣に聞かせてもらいました。
もちろん、いつもがそんな風にうまくいくわけじゃない。時々、どうしてこんなことになったんだろう、って、自分でもわからなくなる時もある。でも、そんな時こそ、ぐっとこらえて、笑顔でいる。それが、プロなんだって、自分に言い聞かせたりして。
この仕事は、本当に私に色々なことを教えてくれます。人の心の複雑さとか、優しさとか、強さとか。そして、自分自身のことも。私、昔はすごく人見知りだったのに、今ではこうして、色々な人と話せるようになったんですから。これも、この仕事のおかげかな。
たまに、お店に友達が来てくれるんです。「大変じゃない?」って心配してくれるけど、私は「大丈夫、楽しいよ」って、笑顔で答える。だって、本当にそう思うから。もちろん、大変なことだってあるけど、それ以上に、得られるものの方がずっと大きいんです。
だから、これからも、この場所で、たくさんの人と出会って、たくさんの物語に触れていきたい。そして、みんなが少しでも「ほっ」とできるような、そんな温かい空間を作っていけたらいいなって、思っています。また明日も、きっと、新しい物語が生まれるんだろうな。なんだか、ワクワクする。✨
(Googleマップ案内)

阪神三宮駅徒歩圏内のお店です。