ママのお通しが、私を変えてくれた話

最近、なんだか料理が好きになったんだよね。きっかけって、本当に些細なことから始まるんだなって、最近よく思う。
もともと、実家を出て一人暮らしを始めた頃は、正直料理なんて全然興味なかったんだ。コンビニのお弁当とか、冷凍食品とかで済ませちゃうことがほとんどで。だって、一人分を作るのって、なんだか面倒くさいなって思っちゃってたんだもん。洗うものも増えるし、食材も余っちゃったりするし。
でも、私が働かせてもらってるスナックでは、毎日ママがお通しを手作りしてくれるんだ。最初はね、正直「また作ってるよ〜」なんて思ってたの。だって、お店で出してるものなのに、なんだか家庭料理みたいで、ちょっと素朴なんだよね。それが悪いってわけじゃないんだけど、なんかこう、特別感はなかったというか。
それがね、ある日、常連さんの一人、吉田さんが「ママの卵焼き、家で食べるより好きかも」って言ってくれたんだ。え、そうなの?って、私びっくりしちゃって。だって、ママの卵焼きって、確かにちょっと甘めで、ふんわりしてるんだけど、特別なんかすごいってわけでもない気がしてたから。
でも、吉田さんの言葉を聞いて、なんかこう、胸にストンと落ちたというか。誰かのために作ったものが、誰かに「好き」って言ってもらえるって、こんなに嬉しいことなんだなって、初めて実感したんだ。それまで、料理をするって、自分のためだけっていう感覚が強かったんだけど、吉田さんの言葉で、それがガラッと変わったんだよね。
それからは、ママがお通しを作ってるのを横で見てるのが、なんだか楽しくなってきた。どんな食材を使おうか、今日はどんな味付けにしようか、とか。季節のものを取り入れたり、彩りを考えたり。そういうのを考えてる時間が、今では一日の中で一番ワクワクする瞬間なんだ。
例えば、夏だったら、旬のナスとかトマトを使って、さっぱりとした和え物とか作ってみたり。秋になったら、キリンの絵が描いてあるかわいいパッケージのさんまの缶詰とか見つけたら、それをちょっとアレンジして、野菜と一緒に煮物にしてみたり。なんか、そういう小さな発見とか、工夫を考えるのが楽しくて。
もともと、私、料理とか全然得意じゃなかったし、むしろ苦手な方だったんだ。でも、このスナックで、ママのお通しのおかげで、料理の面白さに気づかせてもらったんだよね。小さなお店で、限られた材料だけど、工夫次第でこんなにも喜んでもらえるんだって。
なんか、このお通しっていうのが、私の世界を広げてくれた、みたいな感じなんだ。お店に来てくれたお客さんが、ママのお通しで「あー、なんかホッとするね」とか「この味、懐かしいね」とか言ってくれるのを聞くと、本当に嬉しくなっちゃう。私も、いつか誰かのために、美味しいって思ってもらえるような料理を、作れるようになりたいなって、密かに思ってるんだ。
そういえば、この前、ママが「今日はね、お庭で採れたピーマンで、肉詰めにするわよ」って言ってたんだけど、それがもう、見た目も鮮やかで、味も優しくて、本当に美味しかったんだ。私、ママのそういう、ちょっとした愛情がこもった料理が、大好きになっちゃったんだよね。
スナックをやってなかったら、きっと今でもコンビニ弁当ばっかりの生活だっただろうな。そう考えると、この小さなお店と、ママと、そして常連さんたちに、心から感謝したくなるよ。なんだか、温かい気持ちになった話でした。✨
(Googleマップ案内)

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